今年乗った車について考える その2
今年乗った車について考える その2です。
つづいては、これまた2015年末にデビューし、最近街中で見かけるようになった、スズキ アルトワークス(5MT)です。
ベースとなった八代目アルトは2014年末にデビューし、2015年三月にはターボモデルの「ターボRS」がデビューしています。
しかし、この「ターボRS」ですが、実はAGS(オートマチックギヤシフト)と呼ばれるセミATのみのラインナップであり、マニュアルは設定されていませんでした。
ですが、2015年のモーターショーには、ファン待望のMT仕様であるアルトワークスが出展され、年末に発売となりました。
アルトワークスでは、ターボRSと同じくR06A型のターボエンジンを搭載していますが、コンピューターチューンにより、最大トルクを「ターボRS」よりもさらに2N·m向上し、100N·mに強化されています。
足回りも同様に、ワークス専用のカヤバ製のダンパーが奢られ、ホイールにはエンケイ製が備わるなど、専用の装備が多くあります。
シートがレカロ製のSR-7Fであるのも特徴の一つかもしれません。
まず車内に入って感じたのが、レカロシートの大きさ。
ヘッドレスト一体型のセミバケット形状であることも相まって、常に四人乗車は厳しいのではと感じる程の圧迫感があります。
そして、着座位置ですが、思ったほど低くなく、コンパクトカーライクな視点になります。
ですが、この体勢での長時間運転は、特に慎重の高い人にとっては無理のある姿勢になり、辛いかもしれません。
私(178cm)と友人(180cm)が交代で運転していましたが、足を前に投げ出すのではなく、椅子に腰かけるような体勢になるため、互いに姿勢に違和感を感じていました。
そしてエンジンをかけると、軽い排気音が聞こえてきます。
三気筒のエンジンですが、音がぱらついているような印象もなく、普通の小排気量エンジンの音。
ですが、ギヤを一速にいれ、クラッチを繋ぐと、軽とは思えない加速をします。
スロットルがかなり敏感な設定になっている印象も受けましたが、それよりもミッションのクロスレシオ度合に驚きです。
1速から4速をクロスレシオ化し、専用設計のショートストロークシフトを採用している5MTですが、とにかくパワーバンドから外れないギヤ比で、60km/hまでであれば、排気量が倍程度の車には、加速で勝るような気がします。
その代わり、街中ではシフトチェンジがせわしなく、常にガチャガチャと変速しなければなりません。
ただし、ショートストロークシフトを採用しているだけあって、そのシフトフィーリングは、FF車としてはかなり良いです。
これなら、シフトチェンジも苦ではないはず。
足回りですが、街乗りではかなり硬いです。
ごつごつとした乗り心地は正直、長距離向きではないでしょう。
山道では2box形状の車としてはかなり安定しており、足回り専用チューンの恩恵はありますが、街中メインなら要試乗ですね。
軽自動車という枠で考えると仕方のないことですが、ロードノイズもそこそこ入ってくるので、そこを踏まえて検討する必要もありそうです。
ですが、車体重量670kgで64馬力のターボにクロスレシオ5MT、軽量ホイールにカヤバのサス。極めつけにレカロのセミバケットシートですから、サーキットやジムカーナを走る人にはかなり良いのではないでしょうか。
また、低速域での韋駄天っぷりは正直癖になります。そこに魅了された人にもオススメです。
何よりも、スターレットやパルサー亡き今、比較対象はヴィッツRSくらいでしょうから。
税金面でも購入コストを考えても、また新車購入後に社外パーツを買うことを考えてみても、両者はいい勝負なのではないかと思います。
続く