2016年に乗った車について考える その3
あけましておめでとうございます。
今年乗った車について考えている最中でしたが、年を越してしまいました(笑)
今年もいろいろな車に乗れることを願いつつ、文を書いていきたいと思います。
「今年乗った車について考える」改め
「2016年に乗った車について考える」 その3です。
まだ続きます。
次の車は、ホンダS660 α(6MT)です。
よく考えたらこの車も2015年発売のモデルですね。
一時期は納車半年以上待ちの人気で、中古車市場に流れる新古車の数が多かった印象です。
オリジナルのミッドシップシャシーに6MTの組み合わせは、来るべき新型NSXのミニチュアのようでもあり、一方でホンダの軽ミッドシップとして名を馳せた名車、ビートの再来のようにも感じられました。
開発主査が20代なんてのも話題になりましたね。
僕たちの世代って、「ワクワクする車が少ないから車離れになった」なんて言う人もいますが、なさそうに見えて結構あるんですよね。いい車。
スポーツカーですとR34型GT-RやS2000が登場したのが九十年代後半。
現在20代半ばの人が、小学校低学年くらいの頃でしょうか。
また、RVブームが到来したこともあり、オデッセイやMPV、エルグランドやエスティマが人気を博していました。
大小様々な形の車が町を走っていたんですから、興味を持つキッカケとなるような車は、90年代以前よりも多かったんじゃないかなと思います。
だからきっと、車離れの理由は違うはず。
話が横道にそれちゃいましたね。
そんなS660ですが、レンタカーとして登場したので借りて300km程走りました。
当日は生憎の雨。幌が被った状態から乗り込みます。
ドアを開けて座ろうとするものの、狭い。
私は成人男性の中では比較的大柄な部類(178cm,85kg)に入りますが、私のサイズですと、シートを一番後ろに下げて少し余裕がある程度でした。
レンタカーはオプションのアシンメトリーカラースポーツレザーシートが備わっており、運転席のシートがホワイトでしたが、明らかに靴で踏んだ跡(少し茶色く汚れている)があり、乗るのに苦労した形跡が伺えました。
運転席に身を置くと、やはり目線が低い。
そしてタイトです。
しかし、窮屈というよりはぴったりフィットしている感覚なので、息苦しさはありません。
いよいよエンジン始動。
スタートボタンを押すと、聞こえてくるのはいたって普通の軽のエンジン音。
しかし、走り出してからリアのウインドウを開けてみると、勇ましいエンジン音とターボのブローオフの音がそこそこ大きく聞こえます。
演出次第でこうも変わるとは、驚きです。
あと、オープンカーに乗るといつも思うのですが、エンジン音が聞こえやすいので、回転数が分かりやすくて坂道発進の時に半クラッチしやすいですね(笑)
ちなみに、トルクが薄いので、慣れないとエンスト続出です。(爆)
搭載されるS07A型エンジンは、NBOX系のターボに搭載されているのと同じ型ですが、MT仕様のみレブリミットが引き上げられています。
組み合わされるミッションはCVTと6MTで、今回は6MT仕様。
1-5速がクロスレシオらしいのですが、前述のアルトワークスよりも街中で運転しやすいです。
また、なんといっても6速があるのが良い。
アルトワークスに乗っていて感じたのが中高速域での扱いずらさなのです。
5MT+クロスミッションなだけあって高速道路ではかなりの回転数でエンジンが回る訳で、高くない遮音性能も相まって、騒音でかなり疲れます。
その点、S660はギア同士がクロスしすぎておらず、また6速が高速巡行用っぽいため、高速道路でもかなり楽に走れます。
シフトフィーリングもかなり良いです。
ショートストロークでカチッと決まる感じ。ただ、個体差かもしれませんが、シフトの入りが渋いことが少しあったので、そこは気になります。
今回は山道はあまり走らなかったのですが、少しだけ急なつづら折りの道があったので、どんなふうに曲がるのか試してみました。
ミッドシップレイアウトの車に乗ったのが初めてだったので、S660だけに当てはまるのかレイアウト上のことなのかは分かりませんが、とにかく鼻先が入っていく印象です。
擬音を使うと「クイっ」って感じ。
FRとは違ってテールが出ていく感じもなく、ただ鼻先がイン側を向いていきます。
足回りに変なツッパリ感もなく、シュパッと曲がっていくS660に楽しさの鱗片を感じ取りました。
しばらく走ると雨もやみ、海沿いをオープンにして走ります。
ロールトップ形状なので、一度車内から出る必要があり、ロードスター系統(特にNC・ND)に慣れた人にとっては面倒に感じるかもしれません。
ですが、案外あっさりとトップ自体は外せますし、収納ボックスもあるので手間は思ったほどかかりません。
同じ形状のロータス・エリーゼは収納ボックスが設けられておらず、ロールトップの他にも骨組みを外す作業もありますよね。
ここらへん、日本車らしいなぁって思います。
ただ、室内収納がほとんど無い為、駐車場に車を止めるたびに車内の荷物を運び出すか、幌を付ける必要があります。
室内にモノをたくさん置くタイプの人(僕もそうです)は、苦労しそう。
風の巻き込みは窓を閉めればほとんど気にならないのはタルガトップスタイルの長所ですね。
窓をあけても巻き込みはそこまで気になりません。
ですが、頭上の風が頭にバンバン当たるため、長身の人は頭の頂点だけ髪型が乱れます。
その点だけご注意を。
他のユーティリティ面で言うと、レンタカーにはオプションのセンターディスプレイがついており、Gメーターやバックカメラ、Bluetoothオーディオがついており、非常に便利でした。
しかし、ナビはセンターディスプレイとは別に、パナソニック製のポータブルナビが社外品のマウントによって助手席ドリンクホルダーのねじ部についており、なんだかごちゃごちゃした印象。
というのも、センターディスプレイそのものにはナビ機能がなく、スマートフォンでインターナビ機能を使い、それをセンターディスプレイに同期させることが純正でのナビ利用となっています。
正直、わざわざスマホをナビに繋ぐのは面倒ですし、月額料金が必要なら、それこそスマートフォン本体でナビ機能を使ったほうがいいなって思うのは消費者心理としては当然だと思うんですよね。
それならセンターディスプレイをつけなければいいんですが、そうするとBluetoothオーディオが使えなくなります。
この一長一短な感じ、改良されるといいなと思います。
全体的に見て、正直、ナビと収納以外はとても気に入っています。
乗る前は、MRレイアウトや収納の少なさから、セカンドカーとして売れてるんだろうなと思っていました。
セカンドカーなら収納の少なさも軽自動車的な造りでも、ある程度は納得できるだろうし、そこにMRレイアウトとオープンが組み合わさったから趣味車として売れるのだろうと。
実際、そうだと思います。
ただ、それがS660一台で生活することが不可能だということと=ではないと思うんです。
軽自動車って、僕自身それ一台で遠乗りするような車ではないと思っていた節もあり、アルトワークスに乗って考え方が若干変わってきつつはあったものの、やはりメインに据えるにはちょっと・・・と感じていました。
イメージとしては、パワーがなくて足はひょこひょこ動く。ボディーは薄く、インテリアもちゃちい感じ。
しかし、S660に乗ってみると、シャシーのしっかりした感じや室内の造りはいい意味で乗用車的。
確かにパワーはありませんが、実用域ではまったく困りません。
軽だと感じる瞬間は高速加速と降りてナンバーを見た時だけ。
オープンエアの感覚も素晴らしい。
これなら、この車だけでいい。
こんなにも自分の所有欲をそそるとは思ってもいませんでした。
これで収納さえあればホントにいいんですけどね・・・
続く